2016.03.01 新聞掲載 『国際商業』

代表取締役CEO藤本が振り返る、新体制で走り抜けた一年。再認識した化粧品OEMメーカーとしての役割とは。

OEMメーカー トップインタビュー

  • コスメテックジャパン
  • 藤本謙介 代表取締役CEO
  • 高い技術と豊かな創造力で時代に適した「売れる」提案を追求


新体制への移行で意思決定が加速

―新体制になって初めての決算(2015年11月期)でしたが、成果はいかがでしたか。

藤本 前期より、私がCEO(最高経営責任者)として長期的な視点に立って戦略を練り、生川博一社長が現場の執行権を持つ二人三脚の体制をスタートさせました。
狙いは、市場や社会のめまぐるしい変化に対応するために意思決定のスピードを上げ、お取引先様へのサポートを充実させることです。
生川は叩き上げの社員です。研究部門でキャリアをスタートした後、営業部門でも経験を積みました。
特に、部長時代は、全国を飛び回り、広く深い人脈を築いており、お取引先様の状況を考慮して戦略を判断できます。
現場経験が豊富だからこそ、第一線で働く社員の気持ちも理解できる。それに40代前半での抜擢ですから、「いつか自分も」と若手社員のモチベーションアップにもつながっています。グループの将来を担う経営者人財を育てる意味でも、生川には大いに期待しています。

―着実に、意思決定は速くなっている、と。
藤本 経営体制の移行とともに、15年から独自の営業支援システム「NEO-CRM」を導入しました。従来の顧客情報と週報のデータベースを進化させたもので、例えば、企画書・見積書の共有、相談内容も登録できます。
決済すべき上司が出張中でも、システムを通じた綿密かつスピーディな「報・連・相」ができるようになり、お取引先様への提案力は格段に高まっています。このような組織活性化策がコスメテックジャパンへの信頼醸成につながると期待しています。

―新体制は2期目に入りましたが、CEOとして、どのような改善点がありますか。
藤本 長期的な視点に立つと、優秀な人財の確保が課題だと思います。コスメテックジャパンは、市場創造型OEMが特徴で、お客様の潜在ニーズを顕在化させる高付加価値商品を生む企画提案力に磨きをかけてきました。
その一つが、身近な存在である化粧品の開発に情熱を持つ女性を積極的に雇用していることです。化粧品を使われるお客様の大半は女性ですから、等身大で物事を考えられる女性社員は欠かせない戦力です。しかし、結婚、出産といったライフステージの変化で退職してしまうのが悩みの種です。
もちろん、育児休暇や時短勤務など女性が働きやすい環境は整えていますが、伴侶の転勤による退職は手の打ちようがない。
人財確保は、重要な課題として取り組まなければいけません。

―就職および転職戦線は売り手市場ですから、人材確保は難しくなるばかりです。
藤本 人口減少社会を見据え、あらゆる業界の大手企業が人材確保に本腰を入れていますからね。
毎年参加している展示会などで、コスメテックジャパンに興味を持っていただく企業様は増え続けており、その期待に応えられる組織体制を整えていくには、工夫が必要だと認識しています。

―若い世代に選ばれるには、OEM業界自体の魅力を高めることも必要です。
藤本 確かに、OEM業界の存在をたくさんの人々に認知していただくことが重要で、われわれを含めた業界関係者が活き活きと働く姿を見せることがスタートラインではないでしょうか。
OEMメーカーには無限の可能性があります。取引先は化粧品メーカーにとどまらず、アパレルや雑貨、クリニックと多岐に渡ります。
商品の価格帯も低価格、中価格、高価格、超高価格帯と幅が広く、その分、企画コンセプトのみならず販売方法の提案には知恵の絞り甲斐がある。
多様な活躍の場があることがOEM業界で働く醍醐味で、この点に惚れ込んでいる社員がいるからこそ、売上高を10年間で4倍に引き上げることができたのだと思います。

―業界の情報発信の場である「化粧品開発展」に力を入れるのは、そのためですね。
藤本 展示会では、新しいビジネスモデルの創出を念頭に置いたトータルプロデュース力を国内外の方々に実感していただく場です。例年、最新のトレンドや独自原料を取り入れ、そのまま商品化できる企画を提案しています。これは、他社に真似されても構いません。
むしろ、コスメテックジャパンが先頭に立って、OEMメーカーも化粧品のトレンドを生む仕掛人であることを発信することで、OEM業界全体の活性化に貢献していきたいと考えています。

世界の潮流を捉え独自の企画を提案

―16年1月20日から22日まで開かれた「第6回 化粧品開発展」では、どのような提案を行いましたか。
藤本 テーマは、「コスメミュージアム」です。ブースに足を踏み入れると、心に響くものに必ず出会える、来場者を飽きさせない空間を目指し、今年は企画提案数を昨年の3倍近くの24まで増やしました。商品企画、研究所の社員は展示会に向けて試行錯誤を重ね、その中でも特に注目を集めたのが、五つの独自開発原料を用いた提案です。
化粧品トレンド、最先端技術、価値あるストーリー性、確かな効能効果を兼ね備えたコスメテックジャパンならではの独自開発原料ばかりで、その価値を最大限に引き出せるコンセプトコスメへの問い合わせが多く、手応えを感じました。

―具体的には、どういう原料を提案したのでしょうか。
藤本 日本の国菌として古くから親しまれている「麹菌」とコラーゲンを組み合わせた原料「麹コラーゲン」は、麹菌の機能により、原料をさまざまな成分に分解することで、コラーゲンの保湿機能だけでなく、肌にハリとツヤをもたらすエイジングケア効果を引き出すものです。
そのほか、ビタミンC、ヒアルロン酸、コラーゲンを連動させたカプセル型成分で、肌の上で速く、的確に効果を発揮するダメージセンサー機能を兼ね備えた「新型VCコラーゲン」、三大美人の湯と称される島根県出雲地方の湯の川温泉の源泉を原料化した「出雲温泉水」、人間の身体を構成する水分の4分の1を占める細胞間質液のミネラルバランスと92%一致させた「美肌電解液」、パウダーそのものに高いスキンケア効果を付与したメイク用成分「ハイドロボムパウダー」を使用し、それぞれの効果を最大限に感じていただける化粧品を企画し、展示しました。
商談ルームでは、これら独自開発原料の英文展示も行い、海外の来場者にも好評を得ました。

―海外市場を視野に入れた提案は、国内企業も求めているのでは。
藤本 その通りです。以前からコスメテックジャパンは海外進出を意識した企画提案に力を入れています。
14年後半から訪日外国人観光客によるインバウンド消費が活発になり、国内における化粧品市場回復の原動力になりました。こういったことを受けて、コスメテックジャパンは、インバウンド消費を取り込むビジネスモデルも提案してきましたが、すでに新たな局面を迎えています。

―どういうことですか。
藤本 15年9月から中国の税関業務が厳格化されました。手荷物検査の徹底に伴い、虚偽の申請に対して罰金や没収も辞さない姿勢を示しています。
この影響は大きく、15年10月から“爆買い”が勢いを失っているのは、そのためです。しかし、これを追い風に伸びているのが、越境ECです。中国政府への煩雑な申請が必要な一般貿易に対して、越境ECは個人使用目的の輸入品は関税免除です。
内需刺激策の一つとして中国政府が後押ししており、いまや市場規模は3兆円と言われています。日本企業だけでも6000億円で、インバウンドの経済効果を上回っているんです。このような世界の潮流を捉えたビジネス提案を、コスメテックジャパンはソリューションの一環として常に心掛けています。

コンテンツマーケティングで取引先のビジネスを支援

―16年11月期の重点戦略は何でしょうか。
藤本 基本戦略は変わりません。創業者の桃谷政次郎は、「順天」を会社の根本哲学として、131年前に桃谷順天館を立ち上げました。
「天に順い、人々に奉仕する」ことは、われわれにとって不朽不滅の信念であり、最高の技術と知識をもって人々の幸せに貢献することを追求しています。
15年6月の創業130周年を機に、社員には、改めて原点に立ち返ることの重要性を訴えています。これまで以上に仕事の質を高め、高い技術と豊かな創造力でお取引先様のビジネス拡大をサポートしていきます。

―具体的な取り組みは。
藤本 われわれが得意とする企画提案力に更なる磨きをかけていきます。品質の高い商品をつくるのは、OEMメーカーにとって当然の役割で、それに加えてお客様に購入していただくまでの仕組みを提案することがますます重要になっています。
以前の成功パターンであるテレビCMと店頭の連動には、情報社会に身を置く日本女性は反応しなくなっています。
ネットのクチコミサイトが定着したかと思えば、最近はSNSやキュレーションサイトも普及し、マーケティング戦略は複雑化しています。
メーカーによる情報発信に加えて、ネットを用いた客観性の高い情報発信を行うことで、潜在顧客を惹きつけ、購買意欲を刺激するコンテンツマーケティングがビジネス成功のカギを握っています。それと連動するように、ライフスタイルの多様化を考慮して、価格と利便性を維持したオムニチャネルを構築しなければいけません。このような時代の変化に即応し、お取引先様にご満足いただける提案を行います。

事業領域の拡大が成長戦略の要

―美と健康に対する日本人の欲求も多様化しています。
藤本 それを踏まえて事業領域を広げることにも挑みます。じつは、私も50代に入ってから体力の衰えを感じたんです。若い人たちには実感がないでしょうが、昔はもっと頑張れたな、と思う瞬間があるんです。
それからというもの、健康に気を使った生活を心掛けるようになって、新しい生活習慣としてサプリメントを取り入れました。その効果は劇的で、いつしか内側からみなぎるエネルギーを強く感じるようになり、仕事も日常生活もより充実するようになりました。
化粧品だけでは、美と健康は手に入らないことをシニア層は理解しており、さまざまなサービス、商品に興味を持っています。これらは共通するニーズだと思うんです。ですから、われわれは、化粧品領域にとどまらず、エステや美容医療、美容家電などの領域を研究し、総合的な美容ビジネスをソリューションしていかなければいけない。
その第一弾を16年中に立ち上げる計画で、いま、全社を挙げて独自戦略を練っているところです。

―外部の知見を活用していくのですね。
藤本 いまや、オープンイノベーションの時代だと思います。社内外を問わず、さまざまなリソースを活用することで、お取引先様が驚き、満足する商品を形にしていく。また、コスメテックジャパンの知見、技術を外注することも考えています。
内製化と外注のバランスをコントロールすることで、商品提案が迅速になるほか、研究開発の効率化にもつながりますからね。
OEMメーカーが果たすべき役割は増えており、成長の可能性は広がっています。大きな視野でビジネスを考え、コスメテックジャパンを次なる成長に導いていきます。

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