2017.03.15 新聞掲載 『エアゾール&受託製造新聞』

研究スペースの拡大と細胞培養実験室の新設で研究開発力を強化。人財育成にも力を注ぎ、中長期的な成長を図る。

OEMメーカー トップインタビュー

  • コスメテックジャパン
  • 藤本謙介 代表取締役社長兼CEO
  • 細胞培養実験室を新設 研究機能を大幅拡充


化粧品・医薬部外品OEM業界の有力メーカーであるコスメテックジャパン(本社・大阪市中央区上町)の藤本謙介代表取締役社長兼CEOは3月1日(木)、東京・銀座7丁目の東京営業本部で本紙のインタビューに応じ、昨年11月に本社を移転した同社の近況や中長期的な経営戦略など縦横に語った(聞き手は川口副編集長)。

―昨年11月、新本社に移転した。

 「新本社は大阪・上町に新築した7階建て、延床面積約3000㎡の免震装置を完備した自社ビルで、移転の目的はBCP対策。132年の歴史がある桃谷順天館グループとして、地震など万が一の災害時も従業員の命を守り、取引先各社に迷惑をかけないため、思い切って移転した。上町というのは大阪城の南側に位置し、市内で最も高台にある。新本社のデザインは、社内のデザイン専門部署が中心となり、設計会社や建築会社と議論を重ね、細部にまで趣向を凝らしている。
 エントランスにある鉄扉は、我々にとって非常に意味深い創業の頃からの商品『美顔水』のパッケージに描かれたアール・ヌーヴォーをモチーフにしている。桃谷順天館グループは薬種商を営んでいた桃谷政次郎がニキビに悩む妻のために当時の最高の技術学び創りあげた『にきびとり美顔水』が始まりだ。『人の悩みを解決してあげたい』という創業者の精神を、毎朝このゲートを通るたびに社員の胸に刻んでもらいたい、というメッセージを込めている」

―最近の化粧品・OEM業界をどう捉えるか。
 「当社は市場創造型のOEMを標榜しており、我々の仕事は市場それ自体を創っていくこと。そのため既存の市場動向にはあまり影響を受けない。しかしながら、俯瞰した見方をすれば、OEM業界は大手をはじめとする化粧品メーカーの生産アウトソーシング化の流れ、異業種からの新規参入、あるいはASEAN、中国といった海外からのメイドインジャパン化粧品に対する高いニーズも背景に追い風の中にある。一方で当社は、売上げだけを追う仕事はしないというグループ方針のもと、納得のいくお客様と納得のいく仕事を行っている。おかげさまで数字的な面だけでなく、会社として非常に安定した形で成長している。私が代表に就任してからの12年で売上高は4倍以上に伸び、直近の売上高は約30億円。なお、桃谷順天館グループ全体では121億円超になる」

―昨年は健康食品市場への参入も果たした。
 「健康食品は2015年の4月に機能性表示食品制度が始まり、今後大きな市場拡大が見込める。健康食品と化粧品は強い接点がある。高齢化に伴い、近年『健康寿命』や『未病』などへの意識が高まっている。 健康食品については、約6割の女性、特に40代以上の女性の購買が市場を牽引している。直近のカテゴリー別シェアでは『美肌・肌ケア』が最も大きく、市場では化粧品と絡めたストーリー、コンセプト、相乗効果、そしてエビデンスが求められている。単にモノを作るだけではなく、企画提案を一番の強みに、エビデンスを磨いてきた我々にとっては事業領域を広げる大きなチャンスになるのではないかと考えている。実際に海外のクライアントに提案したが、化粧品と健康食品の売り上げが逆転するほどの受注があった。今年は健康食品と化粧品を併用する『内外美容』の提案を国内でも進めていき、健康食品の構成比を10%に引き上げていきたい」

―今期の注力点は。
 「現在10%超の海外売上比率は20%を超える見込みだが、今後更に伸ばしていきたい。海外においては、我々の岡山工場で生産するメイドインジャパンの品質が高い評価を受けており、近年ではASEAN全域に強い販売力を持つ世界的なドラッグストアチェーンから安全性・品質基準を評価され、現在はその唯一のサプライヤーになっている。なお、海外向けOEMは現在、13カ国42社に広がっており、売上げはこの6年で5倍に増えた。海外は今後伸ばしていく方針であり、伸び盛りだ」

―中長期的な戦略は。
 「技術的な面では、産学官の共同研究、特許の出願等も増えてきており、こうした新技術をベースに、これからの化粧品の新たなあり方を自社の設備強化と共に追求して行きたい。その中で、今回の新本社では研究スペースを旧本社の2倍以上の広さに拡大した。恒温恒湿室のスペースは7倍、分析室も2倍以上と、あらゆる機能を強化している。さらに新研究所には、新たに細胞培養実験室も設け、分子生物レベルで肌と細菌叢等のメカニズム解析や、これまでの化粧品のコンセプトには無いレベルの研究などを行う。将来的には『iPS細胞』のような再生医療等の異分野にも繋がるような研究も進めて行きたい」 「また、今後さらに人財育成にも力を注ぐ予定だ。昨年12月の新体制発足時に3人の執行役員が新たに誕生。その一人は31歳の女性で、30代前半の女性役員就任はグループとしても初。当社では今後も年齢、性別、国籍を問わず、社員全員に積極的にチャンスを与えていく」

―市場に向けてPRしたいことは。
 「当社はトレンドを創り出すことが使命だと考えており、何がヒットするのか、お客様が持っている強みをいかに化粧品ビジネスに落とし込むか、お客様と当社がパートナー企業として、世の中にまだ無い新たなビジネスモデル、ブルーオーシャンに向かっていく。このように我々はパートナーシップを大切に、新しい市場を創造する姿勢でやらせて頂いているので、日々、大きなやりがいと幸せを感じながら仕事をさせて頂いている。今後もそうあり続けたい」

実際の紙面はこちら

ニュース一覧へ

オリジナル化粧品の製造、OEM先をご検討の方は、コスメテックジャパンへお気軽にお問い合わせください。

  • 大阪本社 お問い合わせ
  • 東京営業本部 お問い合わせ
  • 海外担当 お問い合わせ

メールでのお問い合わせ