2014.03.01 雑誌掲載 『国際商業』

化粧品OEMメーカー、コスメテックジャパン代表取締役社長藤本が明かす、昨年の企画提案力と現場力強化の成果と、今年最大のテーマである人材教育の取り組みとは。

OEMメーカー トップインタビュー

化粧品ビジネスのコンサルティングで
存在価値を高める

  • コスメテックジャパン 代表取締役社長
  • 藤本謙介氏
  • KENSUKE FUJIMOTO


市場の融合化で差別化を図る
―昨年一年を振り返って見て、化粧品のOEM市場はどういう状況でしたか。
藤本 13年はアベノミクス効果による円安や株価高騰と、日本経済全体を見ると勢いを取り戻す機運をつかんだ一年だったと思います。
しかし、化粧品業界に目を転じると市場規模は横ばいの状況が続いており、将来的にも高齢化が進むと化粧人口は今後、さらに減少していくと予想されます。
加えて異業種からの新規参入も増加、さらに競争は激化しパイの取り合いになると認識しています。ただ、“美しくありたい”という女性の願いは不変です。
いくつになってもその欲求がなくなることはないと考えます。
それゆえ、既存の市場が縮小しても、夢を感じる新しい化粧品の価値を創造できれば、新しい市場を開拓することは可能であると。
当社は市場創造型のOEM事業を得意としていますので、この市況をむしろチャンスと捉え、われわれがいま着眼している市場の融合化を推し進めていきたいと考えています。

―市場の融合化とは。
藤本 一言で言うと、互いの企業が持つ技術や知的財産を融合して、新たな付加価値、新たなビジネスチャンスを生み出すオープンイノベーションの推進です。
単純に「化粧品」単体としてではなく、例えば他のサービスと結びつけることによって、より強く化粧品のコンセプトが形づくられていくようになるということ。
クライアント様が持っている強みと当社の強みを融合させ、新しい商品やサービスを創るだけではなく、今までになかった新しい市場ごと創り上げていく、そういった動きが加速しています。

―具体的な取り組み事例はありますか。
藤本 守秘義務がありますのであまり具体的なことは申し上げられませんが、例えば美容機器(ハード)と化粧品の融合商品もその一つでしょう。
そのほかエステと化粧品を融合したサービス、医療分野をサポートする化粧品など、異なる美容ビジネスが融合することで、化粧品により魅力的な新しい付加価値を創り出すことができると考えています。
そのためには下請け的に化粧品を生産するOEM企業では存在価値がなく、生き残ることは難しいのではないかと。
実際、クライアント様から「斬新でクリエイティブだ」と当社の企画提案力を評価してくださり、対応しきれない程の数多くの受注案件をいただき、嬉しい悲鳴を上げております。

―新しい価値や市場を創造することで、化粧品市場が横ばいのなか、御社の業績は好調です。
藤本 コスメテックジャパン単体でも前年比107%を達成しましたが、この7年間で売上げが3倍になっていることからすると、昨年はこれまでより緩やかな伸びでした。
どちらかというと昨年は準備の段階で、オープンイノベーションの成果が花開くのは今年からだと考えています。
桃谷順天館グループ全体では、110億円を突破し、近年最高の売上高を更新することができました。
当社は研究所も工場もグループと共有しており、そういう意味では、グループ一体となった経営が相乗効果を生み出していると実感しています。

企画提案力と現場力の強化に取り組む
―それでも単体で前年比107%は好調な数字です。その要因は。
藤本 13年度は「企画提案力の強化」と「現場力の強化」をテーマに掲げ取り組んできました。
6年程前、グループ内にデザイン戦略室を立ち上げましたが、最近ではデザインも含めて提案して欲しいという要望が多くなってきており、当社としては提案の幅がどんどんと広がり嬉しい限りです。
当社の強みは商品企画力に加え、デザインを含むブランデイング提案やビジネス提案など、高品質で幅広いソリューション提案をすることであり、それが使命であると考えています。もっと言えば他社との差別化を強め、化粧品ビジネスのコンサルタントとして存在価値を高めたいと考えています。

―企画提案力強化の試みとして実施したことは。
藤本  昨年5月に横浜で聞かれた「CITE JAPAN2013」への出展も試みの一つと言えます。
当社が受け身のOEM企業ではなく、企画提案力やクリエイティブな発想力と技術力に特長のある企業だということを知っていただくため、最新のオリジナル企画であるコンセプト・コスメを展示しました。
具体的には、「ミラクルエフェクト」「スペシャルホワイトニング」「ネクストトレンド」「オリジナル原料」の四つの分野で8シリーズの展示提案です。
中でも当社のオリジナル原料である砂漠の宝石と言われる「クリスタルリーフ」や「プラチナ幹細胞エキス」は、多くの企業様からの引き合いがあり、現在進行形でビッグプロジェクトが進行しています。

―もう一つの現場力強化についてはいかがでしょうか。
藤本 新入社員も入社したてのキャリア社員もすぐに即戦力として担当を持ち、活躍してもらうために昨年、これまでの営業ノウハウを「営業の極意12箇条」にまとめました。
クライアント様の期待を超える提案で感動を与えていくことがわれわれの使命であり、そういった企業文化を理解し、積極的な企画提案型の営業姿勢を統一するためです。
ですから、私自身が信条として大切にしていること、コスメテックジャパンが目指す方向性、成功しているベテラン営業マンの行動パターンの共通点を四つの場面に分けて整理して抽出しました。

―四つの場面とは。
藤本 一つは訪問前にやるべき「訪問準備3箇条」、その場の提案力で答えを導き出す「商談中3筒条」、商談後のフォロー次第でお客様からの信用が全然違ってくることから設けた「商談後3箇条」。そして全体を貫く「心構え3箇条」の全12箇条からなります。これらを全社員に徹底できれば、本当に当社が目指している会社の姿に近づけ、よりお客様のお役に立てる会社になれると期待しています。
ただ現実的な課題として、常業マンが多くの案件とクライアント様を持ちすぎていることから、多忙になりすぎて、一つ一つの提案に充分な時間がかけられなくなるのではと危慣しています。
だからいま私の一番の役割は、人財の補強と強化だと思っています。

創業130周年に向け足場固めの年がスタート
―いま人材の話が出ましたが、今年14年度の重点政策も人材教育が最大のテーマとなりますか。
藤本 1885年に創業した桃谷順天館は、来年15年に130周年を迎えます。
そのため今年は「飛躍につなげる足場固めの年」としてグループ目標を掲げています。そこでやはり足場固めの土台となるのは人財だと。「人は城、人は石垣、人は堀」という武田信玄の有名な言葉がありますが、人財こそが、最も重要な会社の基盤だと考えています。
当社では昔から人材の材の字を財と書きますが、それはまさに人財こそが会社の財産であり、宝であるという考えに基づいているからです。そういう意味でも、今年は人財教育に注力して取り組んでいます。

―具体的には。
藤本 今期新たに「教育研修部」をグループの中に新設しました。
これまで人の教育は人事・人財開発部の担当でしたが、それでは採用活動に追われ、どうしても教育に注力できない状況になりがちでした。そのため人事・人財開発部から独立させたというわけです。
同時に部門ごとの専門スキルをさらに深めていくため、必要となる専門必須スキルを体系化。それを教育カリキュラムにまとめ、先輩社員が担当を分担して受け持つ「担当分担型・教育システム」も導入しました。
コスメテックジャパンでは化粧品ビジネスに関する幅広い知識が必要であり、どれだけ早く必要な知識を身に着けることができるかが非常に重要になってきます。
例えば、容器包材の材質・加飾に関わる知識やコスト、処方、皮膚科学、薬事法など、あらゆる知識を習得することが要求されます。これは、入社年数にかかわらずコスメテックジャパンの社員であるからには、化粧品業界のことを誰よりも知り、誰よりも理解するプロ中のプロでなければならないからです。
営業に行った際、その場で適切なご提案ができずに持ち帰って調べていたのでは、お客様からの要望にスピーディーに対応できないからです。
担当分担型・教育システムで抜けている知識を補うことで、全方位に対応できる人財を一人でも多く育てたいと考えています。

―人財教育以外の足場固めとして他にどういうものがありますか。
藤本 営業施策での取り組みですが、営業部門ごとに擬似・社内カンパニー制を導入しました。
コスメテックジャパン(CJ)をCJ大阪カンパニー、CJ東京カンパニー、CJ海外カンパニーに分け、遊び心を持った仕組みの中で、挑戦心のある競争環境を作り出して、売上げと利益、収支にまでキチンと責任を持つ経営感覚の醸成を図っていきます。
また、ホームペーの全面リニューアルにも着手しています。今回のリニューアルでは、ご覧いただいたお客様に当社が持つ企画提案力・トータルプロデュース力が伝わり、魅力的だと感じていただける内容にするため、現在構想を練っている段階です。

グループ力をバックボーンにクライアントに提案
―グループ全体の売上げに貢献した海外の状況は。
藤本 150%の伸長率を見せた海外は、アジア諸国をはじめ現在、欧米諸国にも徐々に広がりを見せ、ニューヨーク、ロンドンから果てはカザフスタンまで20カ国に広がっています。
これはわれわれが積極的に海外を飛び回って取引を拡大しているというよりむしろ、海外のクライアント様からのアプローチがほとんどで、日本でも伝統と歴史がある会社であること、しかもメイドインジャパンの品質の高さが理由で、ご指名していただいているのではないでしょうか。
昨年8月には、世界有数の経済誌として名高い『Forbes』から取材依頼を受け、「活躍が期待される次世代の日本企業」として、桃谷順天館グループが取り上げられ、コスメテックジャパンのOEM事業も紹介されました。
これを好機と捉え、世界から必要とされ、信頼されるグローバルOEM企業となるべく、企画提案力・研究開発力・技術開発力・製造力・デザイン力・品質管理力などすべてにおいてさらに磨きをかけて強化を図っていきます。

―社長個人として掲げているテーマはありますか。
藤本 やはり当社の一番の差別化の武器は企画提案力だと思います。
だからこれからも最大のテーマとして取り組んでいくことには変わりはありません。しかし、コスメテックジャパンが安心して企画提案に徹することができるのは、グループの強い技術力と研究開発力が、その背景にあるからであり、それを支えているのが当グループにある四つの研究所です。
あらゆる化粧品を研究・開発する「中央研究所」に加え、オリジナル原料の研究など中長期的な研究を担う「フロンティア研究所」、効果的な生産技術の向上を目指す「製造技術研究所」、そして今期から、次世代メイクの研究を行う「彩~Sai~創造研究所」を新たに立ち上げています。

―これだけの引き出しがあるからこそいろいろな提案が可能になるということですね。
藤本 コスメテックジャパンは、そもそも桃谷順天館グループの長年の歴史に裏付けされた研究開発力と製造技術力を、より広く世の中のお役に立てるために、高付加価値な化粧品・医薬部外品の製造開発を行うメーカーとして設立された会社です。企画提案力、技術力、製造力を駆使したトータルサポートで、高付加価値な製品と、ソリューション提案をクライアント企業様にお届けすることがわれわれの使命だと強く認識する次第です。

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