2015.02.06 雑誌掲載 『国際商業』

化粧品OEMメーカーコスメテックジャパン代表取締役CEO藤本が語る、グループ創業130周年の節目への決意。OEM企画提案・研究開発・顧客貢献度・海外対応までの展望。

OEMメーカートップインタビュー

グループ創業130周年の節目に成長の牽引役を果たす

  • コスメテックジャパン 代表取締役CEO
  • 藤本謙介
  • KENSUKE FUJIMOTO

企画提案力の強化で2桁成長を達成

――2014年の状況をお聞かせください。

藤本11月末の期末で前年比117%と、コスメテックジャパンとして過去最高の売上げを更新しました。売上げはこの10年間で4倍となり、桃谷順天館グループ全体でみても売上高は119億円と近年における最高売上げとなりました。

――その要因はどこにあるのでしょうか。

藤本化粧品市場は、増税の影響が強く、デフレの影響も完全に払しょくされておらず停滞感があります。そうしたなかでコスメテックジャパンとしては、市場創造型のOEMを標榜しており、お客様が求めている、夢を感じられる化粧品という付加価値をつくりだす企画提案力が強みです。新しいビジネスモデルを創出することに重点を置いているため、化粧品市場の動向にはあまり左右されません。ストーリー性を持たせた提案でお客さまに成功していただく。その独自性がご支持をいただいており、一度お取引いただくとリピート率は非常に高いですね。

――具体的にはどういった提案に注力されたのでしょうか。

藤本化粧品開発展「COSMETech2014」でも展示していましたが、一つは動物が持つ神秘の生命力と肌の生物学的リズムに着目したデイセラム、ナイトセラムの二つの美容液を提案しました。デイセラムは、様々な栄養素や美容成分が含まれるサラブレットの臍帯エキスを高濃度で配合し、皮膚の栄養補給、老廃物の排除などをサポート。一方ナイトセラムは、ベニクラゲの生態に着想を得た製品。ベニクラゲは、死の直前に老化遺伝子をリセットして幼生に生まれ変わるといわれ「不老不死のクラゲ」とも言われています。その神秘的な秘密から生まれた「FXペプチド」を配合し、日中の細胞ダメージを夜にリペアするセラムを開発。アンチエイジングに特化した強烈なコンセプトを軸にしたブランドストーリーもご評価いただき、来場者からは「このまま商品化してほしい」といったご意見もいただくことができました。

――展示会では非常に特徴的な打ち出しもされていましたね。

藤本その他にも、トレンドと独自性の高い最新の企画を提案する「コンセプトコスメ」を三つ発表させていただきました。また、世界観が異なる2つのポップアップショップを展示会場に出現させました。

――その狙いはどこにあったのでしょうか。

藤本私たちのトータルプロデュース力を実感いただくため、弊社ならではの工夫を凝らしました。一つ目のポップアップショップは「プレミアム・コスメカウンター」という形でオリジナル原料の開発を提案しました。ビューティ発酵という幣社独自の製法を用いて、お客様のご要望に合わせたオリジナル原料を作製するというアイデアです。オリジナル原料の開発には通常膨大なマンパワー、コスト、時間がかかりますが、弊社の独自製法を活用していただくことで、他社にはないお客様独自のオリジナル原料を迅速に作製できることをアピールしました。お客様だけのオンリーワンの訴求が出来るので、即差別化につながり、大きなメリットになることは間違いありません。また、その展示方法にもこだわり、ジュースBARのようなポップなカウンター店舗で魅せることで、化粧品ビジネスを総合プロデュースする幣社だからこそ店舗コンセプトから店舗デザインまで提案できる会社であることをわかっていただけるようなつくり込みにしました。同ブースはアイキャッチも高く、主催者の化粧品開発展のホームページにも掲載されるほど非常に注目を集めました。

――お店のようなつくり込みにすることで、最終商品のイメージは非常に高いものになりますね。

藤本二つめのポップアップショップ「エイジレスラボラトリー」は高級感あふれる強い世界観の店舗イメージをデザインし、先ほどお話しした二つの美容液をご提案しました。併設した「エイジレス・フォーミュラ」では、裏付けとなる効果測定データと共に、アンチエイジングの効能効果に特化した五つの処方をお手元で使用感をお試しいただけるようにしました。高級感と機能性を併せ持つ商品が開発できることがイメージしてもらえたのではないでしょうか。

新研究所開設で開発スピードが加速

――そうした提案も精度の高い研究開発力があってのものだと思いますが、研究開発面ではどういった取り組みをしましたか。

藤本弊社の研究所は現存するなかでは日本最古といわれ、そこで蓄積された約2万以上の処方データを保有しているのが一つの強みです。加えて近年では、研究所の役割を明確にしています。これまでも、製品開発を中心とした処方研究と機能研究を担う中央研究所、中長期的なテーマで基礎研究と効能効果の研究を担うフロンティア研究所、効果的な生産技術の向上を目指す製造技術研究所、そして前期に開設した次世代メイクの研究を担う彩~Sai~創造研究所と、それぞれの研究所がテーマを掲げ役割を分担し、研究開発力強化に取り組んできました。さらに、今期新たにNEXT R&D研究所を立ち上げました。

――最新の研究所は、どのような役割を担っているのでしょうか。

藤本これまでもフロンティア研究所でオリジナル原料の研究に取り組んでいましたが、NEXT R&D研究所では先端技術をリサーチし、応用技術の研究やシーズの開発に重きを置いています。そのため、同研究所では、大学の研究者や独立行政法人などと、化粧品の原料として活用が見込まれる成分や技術の研究に従事している研究従事者の発掘に取り組んでいます。まだ立ち上げて間もないですが、現場のスタッフは既にいろいろな研究者のもとに足を運んでおり、短期間で期待以上の成果を上げてくれています。将来が楽しみなシーズも豊富で、今後に期待しています。

――それぞれの研究所の役割が明確ですが、そのメリットは出てきていますか。

藤本五つに細分化することで、より専門性が高まるので、研究に深みも増し、スピードアップも図れ、製品開発力の向上につながっています。現在研究員も50名近くなり、人財面でも充実してきました。こうした研究体制の充実により、研究部門をフルに活用できるようになり、今後お客様の要望に応える精度はさらに高まっていくと考えています。

――そのほか取り組んだことはありますか。

藤本経営面でいうと業務の効率化を目的に、ネットを活用した営業支援システムを自社で独自に開発しました。詳細はお伝えできませんが、顧客情報と週報のデータベースをミックスしたようなシステムで、上司と部下が密接に連絡できるようになり、スピーディなコミュニケーションと意思決定が実現できるようになっています。営業マンは全国を飛び回っているのでなかなか全員が揃うこともないですし、ともするとコミュニケーション不足に陥りがちですが、そうしたリスク要因の低減に貢献していますね。そのほか、ホームページも久しぶりに刷新し、私たちの強みや差別化のポイントをわかりやすく発信できるようにしています。

――ネットを活用することでより業務効率が高まっているわけですね。

藤本ネットの活用という点では、マーケティングの強化の一環で独自のアンケート調査もネット上で実施できるようなシステムを導入しました。やはりお客様に提案する時になぜこういう企画をしたかというしっかりしたエビデンスが必要です。また、潜在需要を掘り起こすといった点でも、ちょっとしたライフスタイルやトレンドの変化は革新的な商品を開発するうえで非常に有益なヒントになります。こうしたマーケティング戦略もネットを活用することで、より強化ができていると自負しています。

創業の原点回帰で顧客貢献度を高める

――15年にグループ創業130周年を迎えるわけですが、コスメテックジャパンをどう舵取りしていきますか。

藤本桃谷順天館の社名にもある創業者の精神「順天-天にしたがい人々に奉仕する-」を今に受け継ぎ、コスメテックジャパンとしても長年蓄積してきた化粧品の開発ノウハウを世の中で広く役立て、多くの人に喜んでいただくことが使命だと考えています。そこで最高の技術をもって人々の幸せに貢献する、この企業理念の実現のために邁進していきます。

――より企業理念に即した形で事業を進めていくと。

藤本設立してからこれまでOEM企業としての基盤の強化を図ってまいりましたが、今後は今まで以上に仕事の「質」を高めていきたいと考えています。言い換えれば、豊かな創造力と高い技術力で人々の幸せに貢献し、お客様に喜んでいただくことにより重きを置いていく方針です。

――なかでも重点的に取り組んでいくところはどこでしょうか。

藤本企業が存続していくためには人財が最重要になりますから、育成にはこれまで同様力を注いでいきます。その一つとして、前期導入した担当分担型教育システムを継続していく方針です。化粧品開発に必要な20の専門領域についてベテラン社員が自ら教材を作成し、自ら指導する。同システム導入前まではOJTなどの教育が中心でしたが、変化の速い市場に対応するにはそれでは間に合わない。そこで新たな教育システムとして導入したわけですが、容器の包材の材質、コスト、皮膚科学、薬事法など幅広い専門知識を2~3カ月で習得できるようになっており、新人の現場デビューが速まっています。

日本オリジンへのこだわりで海外の成長を加速

――海外についてはどう取り組んでいきますか。

藤本海外は、前年比145%と伸長率が高まりました。以前はASEANのお客様が多かったのですが、近年では米国、カナダ、英国、フランスといった北米や欧州も増加しており、海外の売上げに占める地域構成比はASEANと欧米で拮抗している状態です。昨年も、51ヵ国で2200万人の読者を持つ北米の女性誌で、私たちの手掛けたシートマスクが第1位に選出されるなど、その製品力が高く評価されました。

――そうした状況を受けて、海外に製造拠点を設けて、海外の成長を加速するといったことは考えていますか。

藤本海外のお客様は、日本の工場で製造している私たちの品質に期待してくださっているので、安いコストで化粧品を製造するため海外に生産拠点を設けることを今は考えていません。逆に価格が高くても日本の工場で製造し、日本の品質を維持し、商品をお届けしていく考えです。

――14年12月からCEOに着任しました。

藤本生川博一社長と二人三脚で経営を舵取りしていきます。現場の実務は社長に任せ、私は桃谷順天館グループ全体を俯瞰する立場で経営に携わります。

――新CEOとして改めて抱負をお聞かせください。

藤本お客様の成功があってこそのコスメテックジャパンと考えていますから、幣社にしかできない独自の手法でお客様の役に立つ。それが単に化粧品の製造だけではなく、企画の段階からお客様の成功につながる新しい提案をすることでお客様のビジネスが広がり、その結果として弊社の成長につながれば幸いです。真摯にお客様に喜んでいただける化粧品ビジネスをお手伝いさせていただく。その一つのテーマとして、130周年の節目に、創業者が掲げた「天にしたがい人々に奉仕する」という創業の精神に原点回帰し、事業を進めていきます。

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