「いつか自社のオリジナル化粧品ブランドを作ってみたい」「インフルエンサーとして、ファンに届けたいコスメがある」といった想いから、化粧品ビジネスを立ち上げようとお考えの方が増えています。

しかし、いざ事業を始めようと思っても、「工場はどうするのか」「専門知識が必要ではないか」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
実は、多くの化粧品ブランドは自社で工場を持たずに製品を製造しており、その秘密が、「OEM」と「ODM」という製造パートナーの形態にあります。
なんとなく似ている言葉ですが、自社の目的や「やりたいこと」にピッタリのパートナーを見つけるために、どちらを活用していけば良いのでしょうか。
この記事で、分かりやすく解説していきます!
化粧品OEMとは?
OEMは、「Original Equipment Manufacturing」の略称です。

こちらは、商品の企画・設計・開発はクライアント企業が主導して行い、OEM会社はその仕様に基づいて製造作業を請け負い、クライアント企業名で販売するという仕組みです。
料理に例えるなら、「レシピは自分で用意して、プロの料理人(OEM企業)に調理をお願いする」イメージです。
★OEMのメリット
①工場を持たずにブランドが作れる
莫大な費用がかかる製造設備を持たなくても、プロの設備で高品質な商品を作れるのが最大のメリットです。
②少ない数から作れる場合がある
工場や商品にもよりますが、比較的小さなロット(製造数)から対応可能な会社も多く、売れ行きに合わせた生産量の調整が可能です。
③自社の「こだわり」を忠実に再現できる
「この美容成分を入れたい」「テクスチャーは絶対こうしたい」といった、ブランド側の熱い想いやアイデアを、そのまま製品に反映させやすいのが特徴です。
★OEMのデメリット
①化粧品の専門知識が(ある程度)必要
自社で企画や処方を考えるため、「どんな成分があるのか」「この容器は使えるか」といった基本的な知識や、それを工場に伝えるスキルが必要になります。
②発売までに時間がかかることも
生産にあたって化粧品OEM会社とこまめに連絡をとる必要があり、内製で進めている場合と比較すると、発売までに時間を要する場合もあります。
化粧品ODMとは?
ODMは、「Original Design Manufacturing」の略です。

こちらは、クライアント企業のご要望やブランドコンセプトに基づき、商品の企画・開発から製造まで、全てメーカーに委託し、クライアント企業名で販売するという仕組みです。
料理に例えるなら、「『こんな感じの料理が食べたい』と伝えるだけで、プロの料理人(ODM企業)がレシピ開発から調理まで全部やってくれる」イメージです。
★ODMのメリット
①専門知識がなくても商品化が早い
化粧品開発のノウハウが全くなくても、メーカーが持つ知見を活かして、スピーディーに商品を完成させることができます。
② 最新トレンドや独自技術を活用できる
メーカーは常に最新の美容トレンドや新しい成分、独自の製造技術を持っています。それらを活用した、クオリティの高い商品を提案してもらえます。
③売るための戦略まで相談できることも
商品を作るだけでなく、マーケティングや販売戦略までサポートしてくれる会社もあります。
★ODMのデメリット
① 企画の自由度が下がる可能性
基本的にはメーカーからの「提案」がベースになるため、「ゼロから全部自分で決めたい」というこだわりが強い場合、OEMに比べて自由度は下がる可能性があります。
② 開発ノウハウが自社にたまりにくい
企画開発を「お任せ」する形になるため、自社に「どうやって商品を作るか」というノウハウが蓄積しにくい側面があります。
OEMとODMの違いとは?
まとめると、この2つの決定的な違いは「商品の企画開発を、どちらが主導して行うか」という点です。
• OEM =自社(クライアント側)が企画し、OEM企業は「製造」を担当
• ODM =自社(クライアント側)の要望に基づき、ODM企業が「企画・開発」から「製造」までを担当
しかし近年はOEMとODMの境界が曖昧になっており、設計部分に関わるODM的な働きをするOEM企業もあり、実務ではハイブリッド活用も一般的になってきています。
そのため大切なのは「どちらを選ぶか」よりも「目的や事業計画に合うパートナーを選ぶこと」です。
メーカーの特徴を掴んで依頼することで、商品開発までのトラブルを抑え、理想のアイテムを発売することができます。
【重要】失敗しない!化粧品OEM/ODM会社選びの5つのポイント
「自分にはOEM(またはODM)が合いそうだ」と判断されても、世の中にはたくさんの会社があります。
ここでは、初めての方がパートナー選びで失敗しないための、5つのチェックポイントを解説いたします!

1. 得意分野と実績の確認
OEM/ODM会社には、それぞれ「得意分野」があります。
「スキンケアは得意だけど、メイク用品はあまり作っていない」「オーガニック系に強い」など様々です。あなたが作りたい商品のジャンルで、実績が豊富な会社を選びましょう。
2. 最小ロット数と費用の確認
「最小ロット」とは、「最低でも、この個数からしか作れません」という数のことです。
いきなり何万個も作るのはリスクとなりますので、「まずは3,000個から試したい」など、販売の計画に合うロット数に対応してくれるか、そして費用は予算内に収まるかを確認しましょう。
3. 品質管理・製造体制の確認
お客様の肌に直接触れるものだからこそ、品質と安全性は不可欠です。
ISO9001や化粧品の製造管理に関する国際基準ISO22716の認証を持っているか、工場は清潔に管理されているかなど、信頼できる体制があるかを確認しましょう。
4.企画提案力とサポート体制の確認
特にODMでご依頼いただく場合、メーカーの「提案力」は非常に重要です。
貴社の漠然としたイメージを、魅力的なコンセプトや商品に落とし込んでくれるか、親身に相談に乗ってくれるかを見極めましょう。
5. お客様の信頼に応える表現のサポート
化粧品をお届けする際、お客様に製品の魅力を誠実にお伝えすることが大切です。化粧品の広告には、薬機法や景品表示法といった厳しい法律のルールがあり、製品の特長を適切な言葉で表現することが求められます。
OEM/ODM会社を選ぶ際は、そうした製品訴求の「伝え方」についても、情報共有や相談ができるパートナーを選ぶと心強いでしょう。
まとめ
今回は、化粧品OEMとODMの違いについて解説しました。
どちらかが優れているわけではなく、クライアント企業の「こだわり度」「スピード感」「予算」「専門知識の有無」など、状況に合わせて最適なパートナーを選ぶことが、化粧品ビジネス成功の鍵となります。
まずは、「どんなブランドを」「いつまでに」「どんなふうに」作りたいのかを整理してみましょう。

★化粧品の開発・販売でお悩みの方へ
「自社に合うのがOEMかODMか、まだ判断がつかない…」、「何から手をつけたら良いのか、具体的に相談に乗ってほしい」など、初めての化粧品づくりには多くの不安が伴うかと存じます。
コスメテックジャパンでは、OEMもODMも柔軟に対応しており、お客様の漠然としたイメージを形にするお手伝いを得意としています。
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コスメテックジャパンの原点は日本の近代化粧品の草分けである老舗・桃谷順天館の創業にあります。
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化粧品ビジネスにお悩みの方や、化粧品のOEM/ODM製造にご興味がおありの方は、
ぜひ一度オリジナル化粧品受託製造(OEM/ODM)のコスメテックジャパンにお問い合わせください。

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この記事を書いた人:萩原樹理
株式会社コスメテックジャパン 商品開発部
フェムテックアンバサダー
化粧品検定1級保持
